大人が泣ける本当に切ない仮面ライダー
久々に素晴らしい作品を観ました。
『仮面ライダー4号』。
「え?4号って何?」と思った人のために簡単に説明すると、今年の3月に公開された映画『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』のスピンオフ作品、というかダイレクトな続編です。
全3話のお話なのですが、第1話だけ『仮面ライダー3号』の来場者全員に無料でDVDが配られたので、見た人も多いかと思います(2話以降は、NTTドコモが運営する、動画配信サービス「dビデオ」にて配信)
先日、ブルーレイディスクが発売されたため、やっと全話を視聴できました。
すでに評判は耳にしていましたが、本当に素晴らしい出来でした。
ネタバレをせずに説明するのが非常に困難なのですが…。
まず映画『仮面ライダー3号』で、「歴史改変マシン」を開発したショッカーによって、仮面ライダーの歴史が改変された世界が描かれました。
及川光博が演じたことで話題の仮面ライダー3号も、その歴史改変マシンによって生み出された「正しい歴史には存在しない仮面ライダー」です。
さて、ここで一つの疑問にぶち当たります。
昭和のライダーはともかく、平成の『仮面ライダー』はそれぞれが独立していて完結した物語です。
仮面ライダー龍騎は時間を巻き戻し、仮面ライダー剣はジョーカーとなって姿を消しました。
それぞれが決して交わることのない仮面ライダーのはずです。
でも、なぜか毎年のオールライダー映画では集合していますよね。
つじつまの合わない共演に違和感を感じつつも、「パラレルだから…」と無理やり納得させてきたライダーファンも、『仮面ライダー3号』だけは納得せざるを得ないのです。
なぜなら、ライダーたちが共演できているのは「改変された歴史」だから。
いやあ、実に見事な設定を考えついたものです。
しかも、ここからがさらにすごい。
映画の『仮面ライダー3号』は、最後、3号が自らショッカーに背き、改変された歴史を元に戻します。
歴史が元に戻るということは、悲劇的な終わりを迎えた平成ライダーたちも、また元のアンハッピーエンドに戻るということ。
そう、平成ライダー、特に初期のライダーたちは、実に不幸な運命を一身に背負って世界を救ってきました。
『仮面ライダー4号』は、そんな、とある平成ライダーの最終回と直結した、実に切ない後日談でした。
『4号』では、4月4日という1日が何度も繰り返されます。誰かが死ぬたびに時間が巻き戻り、同じ1日を延々と繰り返す、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』方式のSFドラマ。
でも一味違うのは、その時間から抜け出すことは、テレビ版の最終回を受け入れることになるということ。
『仮面ライダー』史上、最も切なくて美しい最終回を「改変」され、でもその「改変された時間」から抜け出すため、もう一度、その悲劇的な最終回へと向かう。
ヒーローが常々言う「自らを犠牲にする」とは、どういうことなのか。
そして最後に、生き残った仲間がつぶやく一言。
その情感あふれるエンディングを、ぜひ観てほしいです。
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